コーヒー豆の焙煎度について
コーヒー豆を選ぶとき、どのようにして選べばよいかよくわからないという方もいらっしゃいます。
嗜好品ですので、何が正解かは一概に言えません。いろいろな豆を試してみて自分の好きな味が見つかれはそれが正解。いろいろな味を試してみることもコーヒーの楽しみの一つだと思います。
ご来店いただいたお客様に、「何がおすすめですか?」とよく聞かれるのですが、好みはさまざまなので一概に「これがおすすめです!」と言い切ることは難しいです。生産国ごとにコーヒーの味には特徴があるのですが、さらに焙煎度によっても好みが分かれると感じます。
ですから、どんな味わいがお好きなのか(苦みがあるものとか、酸味があるものとか)大体のところをお聞きしてから銘柄や焙煎度をおすすめするようにしています。
うすい緑色やクリーム色の生豆に熱を加えて、こげ茶色の見慣れたコーヒー豆にする作業を焙煎といいます。熱を加えていくにしたがって、コーヒー豆の色はだんだん濃くなっていきます。
このときにコーヒー豆の中では数百種類もの化学反応が起こっており、その進み方によってさまざまな味わいが生まれます。
焙煎についてはまた別の機会に書こうと思いますが、日本ではよく加熱時間が短い順に、「浅煎り」「中煎り」「深煎り」という言い方で表現することがあります。これはかなりざっくりした表現で、厳密な定義があるわけではありません。
コーヒーに詳しい方は、次のような8段階の焙煎度があることもご存じかと思います。
・ライトロースト
・シナモンロースト
・ミディアムロースト
・ハイロースト
・シティロースト
・フルシティロースト
・フレンチロースト
・イタリアンロースト
上から順に浅煎り→深煎りとなっていますが、ライトローストは浅煎り過ぎて飲用には適さず、おもに豆を評価するカッピングのときに用いられる焙煎度です。
一般に日本でいう「浅煎り」はシナモンローストからミディアムロースト、「中煎り」はハイローストからシティロースト、「深煎り」はフルシティロースト以降ということになると思います。この基準も焙煎を行うお店によって少しずつ異なっていることも多くあります。
この写真はうちの店の見本用につくってみた焙煎度の見本で、写真では色味が現物と違うのでちょっとわかりにくいですが、左からシナモンロースト、ミディアムロースト、ハイロースト、シティロースト、フルシティロースト、フレンチローストとなっています。(豆はコロンビアのスプレモ)
味のほうは、浅煎りほど酸味と香りが強いですが、深煎りになっていくほどに、甘味、次に苦味、渋みが増していきます。
コーヒー豆にはそれぞれの国、地域ごとに豆に特徴がありますが、ある意味それ以上に焙煎度によって味の方向性が異なります。味の違いがよくわからないという方は、浅煎り、深煎りを試してみて、自分の好みの味を探ってみてはどうでしょうか。